行楽の秋!食欲の秋!エゴマ豚で芋煮会!
お待たせしました!
ついに大七の「旬どき」スタートです!!
担当するのはK。酒好きが高じて造り手になってしまったくらいですから、当然食べることには並々ならぬ執着があります。
しかも時は天高く馬肥ゆる、食欲の秋!
酒蔵の窓からながめるのは安達太良山。
そのうえにでている「ほんとうの空」の色は晩夏から初秋にかけて日ごとに透明度を増してゆきます。
朝晩の空気がひんやりとしてくると、湿気を帯びた稲穂やすすきや草花の香りが漂い始め、すると何故か舌の上に秋の味覚の記憶がよみがえって…
来る秋の夜長の晩酌についてあれやこれやと暫し(かなり長時間)夢想する私。
あれを肴にあの酒を…なんて考えるだけで幸福☆(でも空腹)
お伝えしたい秋の味覚が、ここ福島には山ほどあるのです。
で、記念すべき第1回目のうまいものを何にしようかと考えるわけですが、
う~ん、ひとつに絞るのって難しい。
記念すべき、なので何か素晴らしきものを考えつかねば。
とりあえず秋の東北といえばということで、ちょっと早いけど「芋煮」はどうでしょう。
考えた割にはありきたりなものしか出てきませんでした。
そう、ここらではありきたりなんです。芋煮って。
うちでは秋から冬にかけて夕食の献立に何度も登場します。
具だくさんなので栄養バランスばっちりという安心感があるし、冷蔵庫の掃除にもなって一石二鳥の大助かりメニューなのです。
福島では里芋、豚肉、ゴボウ、ねぎ、人参、大根、こんにゃく、白菜、豆腐などを味噌仕立てにします。
それって豚汁?と思われた方もいらっしゃるはず。
確かにその通り、日常の夕飯のおかずになってしまうと「芋煮」という晴れやかさというか輝きみたいなものにやや翳りが生じて、「ええい豚汁とでも何とでも好きに呼んでおくれ」という投げやりな気分になってしまうんですけど、それは芋煮が本来は野趣溢れるアウトドア料理だからに他ならないわけで。
つまり、芋煮を一番美味しく食べるならやっぱり芋煮会をやらなくちゃ!なんです。
芋煮会はもともと山形あたりが発祥といわれていますが宮城や福島でも盛んに行われています。最近では関東地方はじめ全国に広まっているという噂も…
地方によって牛肉だったり豚肉だったり、味付けも味噌あり醤油ありと様々な芋煮がありますが共通しているのはもちろん芋。里芋です。
畑で里芋が採れる頃になったら仲間を誘って川原へ出かけます。
仲間と一口に言ってもいろいろあります。
会社の仲間。サークルの仲間。幼稚園の子どもと父兄。消防団。親戚縁者。隣組等々…。まぁ、なんでも有りです。
顔の広い人は10月の土日は毎週芋煮会なんてことも有りです。
仲のよい人悪い人、自然の中でみんな一緒に作って、食べて、飲んで、騒いで。
東北らしい素朴でおおらかな秋の風物詩なのです。
ここ二本松は田舎なのでそうでもありませんが、市街地の川原は非常に混雑して場所取りに苦労することもあるようです。でも花見や花火見物と同様、そこから芋煮気分は高まっていくのですよ。
川原についたら適当な石を拾ってかまどを作り、薪に火を付けます。
作り方に決まりはありません。さわやかな秋晴れの空の下で、あまり細かいことにこだわるのは野暮というものです。
大きめに切った材料を大鍋でおおらかに煮込めばよろしい。
具も好みでキノコをいっぱい入れたっていいし、子どもが多いならサツマイモを入れると汁に甘みが出て喜ばれます。最後にうどんやすいとんを入れることもあります。
この辺は農家の人が多いですし、農家でなくても結構当たり前に庭先で野菜を作っていたりするので、野菜はほとんど自分のうちの畑で採れたものを持ち寄ります。
豚肉は最近福島で人気の高いエゴマ豚を使えば最高!
エゴマ豚。その名の通りエゴマを食べて育った豚なんですって。
エゴマのことを福島では「じゅうねん」と呼ぶことが多いんですが、普通のごまのように炒って擂って使います。甘辛のタレにして和え物とか、おはぎにまぶしたりもします。
α-リノレン酸を豊富に含むので健康にいいと最近人気のエゴマですが、これを豚に食べさせると、豚肉に含まれるα-リノレン酸が増加するだけでなく美味しく軟らかい肉質になるというわけ。我が福島県生まれのブランド豚です。
このエゴマ豚、近隣のスーパーなどでも手にはいるので、私もよく食べるのですが、本当に柔らかくて臭みがありません。脂身が甘くてあっさりしていて明らかにただの豚肉と違うんですよ。
この肉の旨味が取れたての地場野菜と出会うところ、想像してみてください。
そんなこんなで芋の煮えるのを待つ間、みな早々と杯を傾け始めます。
自分の腹の中だけではなく、芋煮の鍋の中にも豪快に日本酒を注ぎ込むのもお忘れなく。
野菜が煮えたら味噌で味付け。味噌と醤油両方入れる場合もありますが、この辺も適当で結構。野菜や肉から出た旨味にきれいな山の空気が溶け込んで(焚き火の灰もちょっと混入したりして)十分美味しいですから!
しっかり味のしみこんだ里芋にふうふう言いながらかぶりつく。
ほっくりと土の香りが広がって、これぞ大地の恵み。心までほくほく、あぁ幸せ。
芋煮にはやはり定番中の定番、大七純米生もと が抜群に合います。
春に新酒として搾られた日本酒が蔵の中で夏を越えてまろやかに熟成し、うまさにいっそう磨きがかかった様を秋上がりといいますが、この言葉、この酒のためにあるようなもの。
秋の味覚に秋上がりの酒。合わないわけがないと思いません?
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