いかにんじん
福島県中通り北部の冬の郷土料理といえば「いかにんじん」です。
このシンプルな名前そのままに、材料は人参とスルメと調味料だけ。
せん切りにした人参とはさみで細く切ったスルメに醤油、酒などを煮立てて冷ましたものを注いで漬け込むだけ。味付けは家によって甘めだったり辛めだったりいろいろですが、冬の常備菜として欠かせません。
人参って朱色が鮮やかで美味しそうだから、いろんな料理に使われているけれど、主役になる事は意外と少ない野菜ですよね。ところがこの「いかにんじん」はその名の通りに人参が主役。自然な甘味のする人参にスルメの旨味がしみ込んで酒の肴に最高なのです。
なんでも、松前漬けの原型という説もあるとか。確かに「いかにんじん」に昆布や数の子が入れば松前漬けですが、そうなるともう人参は完全に脇役で、やっぱり人参がここぞとばかりに自己主張する「いかにんじん」のほうが、素朴で健気で愛着を感じるような・・・。
ところで「いかにんじん」には人参がたくさん入るので、当然たくさんの人参を用意して、たくさんせん切りをしなくちゃなりません。そこで、というのと甘くて味がよいのと両方の理由からだと思うのですが、とっても長い人参を使います。まるでゴボウのように長い人参。冬になると八百屋の店先に並ぶ、これも福島の風物詩です。
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