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あんぽ柿と大七の共通項は?

月日の経つのは早いものです。
冬は酒屋の繁忙期なので、お正月気分もそこそこに、気づけばもう1月下旬ではないですか!特に今年は暖冬のせいもあって1月らしい気分が今ひとつしてこないんですよね。ここ二本松でも子ども達はまだ一度も雪だるまを作っていません。例年なら今の時期、早朝の冷え込みが厳しく、水道管の凍結防止に気を遣う毎日なんですが・・・
皆様はいかがお過ごしですか?
今年も福島の旬のうまいものをあれこれお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いします。ちなみに私、年女なのですが(自ら年齢ばらしてどうするんでしょ)、猪突猛進しすぎないようにあくまでクールに、でも真っ直ぐに頑張りますよ!

さて昨年12月19日の記事で大内さんと有機農業の第3章の予告をしていたのですが、今回この時期にちなんで是非取り上げたいものがありますので、予定変更です。
 先日、大内さんが毎月発行されている「二本松有機農業研究会だより」に1月の伝統行事の話題が載っていました。
「農の初め」というのは農家にとって正月の終わりで、今は1月7日なのだそうです。
昔は16日に門松を田畑に立てて田作りをお供えして安全と豊作を山の神に祈願してから農作業を始めたのだとか。

小正月の伝統行事は全国に今でもいろいろ残っていますよね。
たとえば「どんど焼き」。お正月の門松や注連縄を焼いたり、その火で餅を焼いて食べたり、地方によって呼び名もやり方もすこしづつ違いがあるようですが、皆様のところではどんな行事がありますか?
私が学生時代を過ごした仙台には「どんと祭」という裸参りがあって、日暮れとともに白鉢巻き・白さらしを巻き、口には私語を慎む為に「含み紙」と呼ばれる紙をくわえた人たちが、鐘と提灯を持って、御神火が焚かれた境内に何千人も列をなして参拝していました。
福島では米の粉で作ったおだんごを木の枝にさして、色とりどりの縁起物も飾り付けた「だんごさし」を神棚にお供えします。

「二本松有機農業研究会だより」によると、小正月には「なりもうす」という行事があったのだそうです。
1月15日の朝になると柿畑へ行ってわら納豆のわらで柿の木を結び、大声で「なっか、なんねえか、なりもうす、ならねっかこの木切っちまうぞ」と叫びながら、ナタで幹をトントンと傷つけて回ります。するとその木の持ち主が「なりもうす、なりもうす」と柿の木になり代わって答えるというもの。

と、そこまで読んで私、なーんだか聞いたことのあるような話だと思ったんです。
しばらく考えて思い出しました!そういう絵本があったんです。
福音館書店の月刊絵本《こどものとも》だったに間違いないのですが、かなり気に入って読み倒したため多分ぼろぼろになって、現在は手元にないのです。
そこまで思い出したら、亥年の私は図書館へまっしぐらに走りましたよ!
そしたら、ありましたありました。ハードカバーになって今でもちゃんとあったのです。
熊谷元一作/絵『二ほんのかきのき』福音館書店刊 です。
もう、懐かしくて懐かしくて小躍りするほど嬉しい再会でした。

その中には私の記憶どおり、柿の木の幹にナタで傷をつける場面がありました。
でも、大内さんの言う「なりもうす」とは少し違っています。
まずセリフが「なーりそうか、きりそうか」「なります、なります、おかゆをしんぜます」ですし、幹に傷を付けたところにおかゆを塗るのです。
少し調べてみたら、これと同じような行事は実は全国にあったようです。
「なりきぜめ」という名前が一般的なようです。セリフはその土地土地で様々ですし、小豆粥を塗るところもあったり、いろんなバリエーションがあるみたいです。それに皆さんご存じの『さるかに合戦』のカニが「早く芽を出せ柿の種、ならぬとはさみでちょん切るぞ・・・」と歌うくだりはこの「なりきぜめ」をモチーフにしているのだとか。

いずれにしても「秋に多くの実りがありますように」との祈りが込められているのです。
実際に植物というのは自らの勢いが衰えてくると、子孫を残すためにたくさんの実をつけるのだそうです。昔の人たちはそういう農家の生活の知恵を伝統行事として残したのですね。大内さんのところでは昭和30年代を最後に、この行事も途絶えてしまったそうですが、子供の頃の記憶として今も懐かしく思い出すんですって。

2007_01200086 柿と言えば、福島県の名産品「あんぽ柿」をご存じですか。
干し柿の仲間なのですが、普通の干し柿よりしっとりやわらかくて中はとろりととろけるようです。干し柿と言うより柿羊羹のようで上品な感じです。ウィキペディアにあんぽ柿について大変詳しく載っていましたので、興味のある方はこちらを是非ご覧下さいね。
 あんぽ柿 出典:フリー百科事典『Wikipedia(ウィキペディア)』

福島県伊達市梁川町の五十沢というところに江戸時代、宝暦年間に七右衛門という人が持ち込んだ柿が、この地での柿栽培の始まり。その柿は現在の蜂谷柿で、昔は七右衛門柿と呼ばれていたんだそうです。
ここでクイズです!「七右衛門」と言えば?
そう、大七フリークのあなたならもうおわかりですよね??
大七酒造の歴代当主は七右衛門を襲名しています。大七の『七』は七右衛門の七なのです。それに、大七酒造の創業は宝暦2年。
「宝暦」「七右衛門」2つのキーワードでつながったあんぽ柿と大七。
何かの縁でしょうか?

そこで、「大七とあんぽ柿の出会いスイーツ」をつくってみました!!
えっ?ちょっと話の展開が強引ですか?
でも思いつきで作った割にはとても美味しかったので、是非試してみてくださいね。

2007_01200080 まず1品目。
「あんぽ柿の日本酒漬け」
容器に詰めたあんぽ柿に大七純米生もとをひたひたに注いで数日おくだけ。
日本酒の苦みが少し感じられますが、柿がよりしっとりして大人の味です。柿そのものだけでなく、柿の甘みと風味が移ったお酒もとろっと甘くて美味しいです。

2007_01200084 2品目は
「あんぽ柿の梅酒漬け」
日本酒漬けの純米生を大七生もと梅酒に変えただけ。
梅酒の酸味が柿の甘みにアクセントを付けてくれます。「主役は梅?それとも柿?」という感じもしますがお互いの相性は良いみたいです。


2007_012000823品目。
「あんぽ柿の吟醸粕漬け」
あんぽ柿に大七生もと純米大吟醸酒粕をまぶして、これも数日おくだけ。
大七の吟醸酒粕は熟成した旨味と吟醸の繊細な香りが特徴ですが、これが柿とよく合います。それに粕の力で柿がやわらかくなって、お箸で切れてしまうくらい。


大七商品にあんぽ柿を漬けただけなんですが、どれもなかなか美味ですよ。
間違ってもお子さまやアルコールに弱い方のおやつにはなさらないようにご注意下さいね。

今回は柿にまつわるエトセトラをつれづれなるままに書いてみました。
次回は2月7日アップ予定。お約束の大内さん第3章。乞うご期待です。

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